歯並びの相談は6歳までに
日本人のおよそ54%の方が歯並びに何らかの問題を抱えていますが、治療を受けている方はそのうちの7%にとどまります。
これれは3歳児の歯並びの写真です。この中に一つだけ正しい歯並びのものがありますが、どれかわかりますか?
正解は左上ののすきっ歯な歯並びです!
歯並びをきれいにしたいけれども「矯正治療はお金がかかる」「歯並びをきれいにするまでの器具が目立つのがいや」「治療期間が長くて大変」といった理由で、歯並びを整えることを断念する方をしばしば目にします。そして、その理由はもっともであります。事実、大人になってからの矯正治療は全顎的なものになることが多く、イメージされるように費用も時間もかかります。また矯正器具を入れた際は痛みを生じて非常に大変な思いをされる方もおられます。
ただ、それは幼いころからある歯列不正(よくない歯並び)を放置した結果、どんどん歪みが大きくなっていき、大掛かりな治療をしないと治せなくなってものです。歯列不正は初期の歪みの小さいうちに治療を行えば短期間、かつ安価に整えることができます。
※なぜ歯列不正が起きるのか:多くの歯列不正は口腔機能の発達不全が原因
歯列不正は原因により3つに分類されます。
1、アゴの発育不足(40%)
歯並びがガタガタ
2、口腔習癖・体の癖が起因(40%)
上アゴが出ている → ぽかん口、唇咬みが原因
下アゴが出ている → 泣き癖、間違ったうがい・飲み込み方、舌の癖が原因
下アゴが奥まっている → 頬杖、舌の癖が原因
前歯が閉じていない → 指しゃぶり、爪咬み、舌の癖が原因
3、歯の位置異常、先天性欠損、過剰歯
本来とは異なる場所に歯が生えている、生まれつき歯が多い・少ない → 神様のいたずらが原因
1、2の歯列不正は幼少(9歳まで)のころに、そうなっている原因を見つけ、改めることで正しく成長できるようになり、歯科にかからずとも自力で治すことができます。それが本来の矯正治療です。メカニカルな矯正治療(口に金具をつけるもの)はあくまでその補助的なものです。
歯列不正ごとの治し方
1、アゴの発育不足 → 食事の環境改善:アゴが発育不足により大きくなれず、歯がおさまらなくなってしまっている状態です。アゴがしっかり本来の状態まで発育できるようにしっかり刺激を与える必要があります。それが最も効率的にできるのが毎日の食事です。しっかり前歯で咬み切り、20回を目安に咬んでアゴに刺激を与えましょう。そのためにはハンバーグやカレーといったあまり咬まずに飲み込んでしまえる食品は向いていません。カレーの具材を大きめにして入れるなど工夫が必要です。また、食事中にお茶や水を飲むことも控えるべきです。水があると大概のものはそこそこかみつぶせたら、流しこんでしまえるからです。そもそも食事中に水を飲む文化は昭和初期にはなく、かなり現代になってからのものなのです。
2、口腔習癖・体の癖が起因 → ぽかんと口をあけたままにしていると、出っ歯に。頬杖をつくことが多いとアゴが左右にずれてしまったり。指をしゃぶっていると前歯がかみ合わせれなくなってしまったり。歯並びは意外と簡単な力で大きく変わってしまいます。逆に考えるとその癖さえなくせば簡単に治ることも往々にしてあります。また、癖を直さずに矯正治療を行っても、一度はきれいになりますが必ず再発して元の歯並びに戻っていしまいます。
3、歯の位置異常、先天性欠損、過剰歯 → これは誰が悪いわけでもなく、遺伝的なものであったり突然変異のようにおこるものなので矯正治療(器具の装着)が必要です。
初めから重度の歯列不正は存在しません。
どんな難しい歯並も早期治療(9歳までの治療)を放置した結果です。
歯列不正は放置すればするほど悪くなることがほとんどです。
第一次成長期(~6歳)や犬歯が生えてくるまでの間に治療すれば簡単な治療で費用も低くすることができるのです。
『歯並びは小学校低学年までに治せばとっても簡単!』
※ただし受け口は小学校に上がるまでに治しておくのがベスト。10歳以降になると治療は非常に困難なってしまいます。