虫歯治療
虫歯のでき方と防ぎ方
虫歯のでき方
虫歯菌は歯の表面に付着し、人間の食べ物に含まれる糖質を餌に繁殖していきます。
その繁殖する過程で酸が生み出されます。
この酸により歯が表面から溶かされていく、これが虫歯です。
つまり、虫歯ができるのには4つの要素が必要になり、これらを防ぐことができれば虫歯も防ぐことができるのです。
虫歯の防ぎ方
歯を強くする
歯みがきをしなくても虫歯にならない。
そんな人が身近にいたりしませんか?
私たちも日々患者様の口の中を見ていると、ものすご~く汚れているのに虫歯は全くない方を見かけることがあります。
これは生まれ持った「歯の質」が強い、「唾液の質」がよいのでしょう。
「唾液の質」は後天的に替えることは難しいですが、「歯の質」はフッ素を用いることで替えることができます。
定期的に歯にフッ素を取り込ませることで虫歯(酸)に強い歯にし、虫歯から歯を守りましょう!
糖分を減らす
単純に糖分の摂取量を減らす必要はありません。
重要なのは摂取量では無く、口の中に糖分がある時間です。
1日1回のおやつの時間にケーキを10個食べるのと、1日中ダラダラとケーキを10個食べるのでは、口の中に糖分がたまっている時間が全然違います。
虫歯菌は糖分を栄養として増殖するので、だらだら食べている方が断然虫歯になるリスクがあります。
もちろん、ケーキをだらだら食べる人はいないでしょう。
ちょっとした間食やアメ、グミ。
糖分の入った飲み物(カフェラテ等)を気がつかず普段から食べている方は要注意です。
虫歯菌を減らしましょう
虫歯菌が少なければ当然、出てくる酸の量も少なく、歯が溶かされる心配は減ります。
虫歯菌を減らすには歯みがきが重要です。
ただ、歯ブラシで磨きだけではなかなか大人の虫歯の予防には足りません。
大人において、最も虫歯ができやすいのが歯と歯の間です。
ここはいくら歯ブラシを当てても毛先が届くことはありませんので、虫歯菌がずっと居座ってしまします。
なので、歯と歯の間を磨くには「フロス」や「歯間ブラシ」を用いましょう。
虫歯も歯周病も歯と歯の間から生じるので、実を言えば「歯ブラシ」で磨くより「フロス・歯間ブラシ」で磨く方が虫歯・歯周病予防の効果は高いのです。
さらに、歯みがきの後にモンダミン等のうがい薬を使うとより予防の効果が期待できます。
食べたら磨く
たとえ「歯の質が弱く」「虫歯菌が多い」条件だったとしても、虫歯菌が1分しか歯の表面についていなければ虫歯になることはありません。
なので、毎食後食べたら磨く。基本的なことですがとても重要です。
ただ、食べてすぐ後は歯が食品に含まれている酸によって弱っているので、歯ブラシ+ハミガキ粉で磨くと歯が削れてしまうことがあります。
できれば食後30分位してから磨くのがベストです。
虫歯の進行段階
Step1 Ce
見た目以外の症状はありません。
歯の表面であるエナメル質の表面が虫歯より変色している状態です。
しっかり歯みがきをして、フッ素を活用することで進行を抑制、ともすれば元の健康な状態に戻せる可能性があります。
Step2 C1
見た目以外の症状はありません。
歯の表面のエナメル質に穴が開いてしまった状態です。
エナメル質は非常に強固な組織なので、虫歯菌がたまらないようにしっかり歯みがきをし、フッ素を活用することで、健康な状態に戻ることはありませんが、進行せず維持できます。
Step3 C2
深い、虫歯になると冷たいものがしみたり、噛んだときに痛むことがあります。
歯の表面のエナメル質を超えて、象牙質まで虫歯が進行した状態です。
象牙質はもろく、虫歯菌の進行を抑制することはできません。この段階になってしまうと、虫歯を削り取る治療が必要になります。
Step4 C3
ズキズキと激しく痛むことがあります。
神経まで虫歯が進行した状態です。
歯の神経を取る根管治療を行う必要があります。
根管治療を行うことで、痛みを無くし、歯を残すことはできますが、神経が無くなるため歯はもろく、折れやすくなってしまうため、歯の寿命が短くなります。
Step5 C4
腐った根だけが残り、根の周囲に膿がたまることで口臭もひどくなり、痛むこともあります。
腐った歯の根だけが残っている状態です。
この状態を放置すると歯に土台をたててかぶせ物をすることもむできなくなることがあり、歯を抜かなくてはならないことも多くあります。
歯を抜いた後は、入れ歯、ブリッジ、インプラントと言った治療方法を選は無ければなりません。
虫歯の治療方法
C1~C2:小さく削って詰める
白いプラスチック(コンポジットレジン)を詰めます。治療は一回で終わることがほとんどです。
C2:削って詰める
虫歯が大きい場合はプラスチック(コンポジットレジン)での治療が難しくなることが多いため、銀歯やセラミックと言った詰め物を作り、歯に装着する必要があります。
治療は型取り、装着の2回かかります。
C3~4:神経を取ってかぶせる
虫歯が神経まで到達していると。神経を取った上で歯に土台をたて、その上からかぶせ物を装着する必要があります。
治療は、神経を取り、薬を詰め、歯に土台をたて、型取り、かぶせ物の装着と4回以上かかります。
C4:歯を抜いて、何かで歯を補う
この状態になると歯を抜かなくてはならないことが多いです。
歯がないままにしていると、残っている歯に負担がかかって、他の歯の寿命が短くなるなど、様々な問題を生じてしまいます。
何らかの方法で歯を補いましょう
詰め物の種類
金銀パラジウム合金インレー(保険適用)
保険適用:4000円程度(3割負担の方)
メリット
- 保険が適用されるので費用の負担が少ない。
- 金属なので割れにくい
デメリット
- 見た目が悪い
- 金属なので細菌がつきやすく、虫歯の再発するリスクが比較的高い
ゴールドインレー
自由診療 55000円~※金相場により変動します。
メリット
- 金合金でできており、金属としては軟らかく歯への適合性が高い。
デメリット
- 見た目が派手
- 費用がかかる
セラミックスインレー
自由診療:66000円(税込み)
メリット
- ご自身の歯に近い色なので、目立たずキレイ。
- 表面が汚れにくく、虫歯菌もつきにくいので比較的虫歯になりにくい。
デメリット
- 費用がかかる。
- 歯ぎしりや噛む力が強い方は割れてしまうリスクがある。
かぶせ物の種類
金銀パラジウム合金冠
保険適用:6000円程度(3割負担の方)
メリット
- 保険が適用されるので費用の負担が少ない。
- 金属なので割れにくい
デメリット
- 見た目が悪い
- 金属なので細菌がつきやすく、虫歯の再発するリスクが比較的高い
硬質レジン(CAD&CAM)冠
保険適用:6000円程度(3割負担の方)
メリット
- 保険が適用されるので費用の負担が少ない
- 白いので目立たない
- 金属アレルギーの心配が無い
デメリット
- 経年的に変色する。
- 外れる、割れることがある
- 細菌がつきやすく、虫歯の再発するリスクが比較的高い
セラミック冠(奥歯向け)
自由診療:66000円(税込み)
メリット
- セラミックなので白く目立つことが無い
- 金属アレルギーの心配が無い
デメリット
- 単色なので天然の歯ほどキレイでは無い
- 費用がかかる
- 歯ぎしりや噛む力が強い方は割れてしまうリスクがある。
メタルボンド冠
自由診療:110000円(税込み)
メリット
- 内側が金属のため強度が高く、表面のセラミックにより汚れもつきにくく見た目もキレイ。
デメリット
- 費用がかかる
オールセラミック冠
自由診療:176000円(税込み)
メリット
- 天然の歯に近い見た目をしており非常にキレイ
- 変色することが無くキレイさが保たれる
- 金属アレルギーの心配がない
デメリット
- 費用がかかる
- 他の治療に比べ、歯を削る量が多い
- 他の治療に比べ、治療にかかる回数が多くなることがある。