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『うがい』によるコロナ対策は効果があるのか?

コロナウイルスの感染が心配される昨今。感染対策はできていますか?

3密を避ける。手洗い、うがいに、手指消毒。マスクを使い、つり革やエレベーターのボタンは極力触らない。また、次亜塩素酸による空気中の殺菌も行っている方もいるのではないでしょうか?

さて、様々な対策が考えられますが、『うがい』による殺菌、ウイルス効果がどれだけあるのかはご存じですか?

実は現在、国が呼びかけている感染予防方法に『うがい』は含まれていないのです!

大阪大学で、うがいをするグループと、うがいをしないグループに分けて行った研究があります。

うがいをするグループは、1日3回毎日うがいをして2ヶ月間過ごしました。そして最終比較したところ、うがいをしなかったグループと比べ、一般的な風邪に対しては若干の効果を認めました。しかし、インフルエンザに対しては残念ながら効果が確認され無かったのです。日本の冬の湿度は20~30%と低く、喉が乾燥してしまうため、潤すことで風邪に対しては効果があったのではないかと思われます。また、インフルエンザに対して効果が認められなかったのにも理由があります。インフルエンザの原因となるウイルスは喉の粘膜に吸着した後に、細胞内に侵入することでその害を発揮していくのですが、この侵入にかかるまでの時間が問題なのです。喉にウイルスが吸着してから細胞内に侵入するのにかかる時間は、数分~20分といわれています。つまり、ウイルスが喉に入り込んでから数分以内にうがいをすることで、洗い流すことができるのですが、それ以上たってからでは、すでに細胞内に侵入を果たした後なので、うがいの効果が発揮されなかったのです。

そして、今回の新型コロナウイルスに対してはどうなのかというと、「インフルエンザなどと感染経路が一緒のため、新型コロナウイルスもまだわからないところもあるが、同じように考えていいのではないか」ということでした。つまり、普通にうがいを行ってもあまり効果が無いと思われるそうです。残念ながら...

 

では、『うがい』はしなくてもいいのか?と言われると、一概にそういうわけでもありません。

ウイルスの侵入を抑制する効果を求めることは難しいですが、口腔内を清潔に保つには非常に有効な手段なのです。

ある老人ホームで、歯医者が口腔内をキレイにしたグループと、していなかったグループに分けてカゼの罹患率がどれだけ変わるのか調べる研究が行われました。その研究によると、口腔内をキレイにしていたグループの方が、カゼにかかりにくくなることが認められたそうです。これは口腔内をキレイにしていることで、歯周病菌などが減り、全身の免疫力が高まったからだと考えられてます。

つまり、『うがい』ではコロナウイルスを洗い流すことは難しいけれど、口腔内をキレイにすることで、全身の免疫力を高め、コロナウイルスにかかりにくく、症状を軽減することができる可能性があるのです。

 

東京歯科大学から、COVID-19(新型コロナウイルス)対策の一環として、あることが発表されました。

いわく、「日常的に使われる抗菌性洗口剤のエッセンシャルオイルのリステリンはエンベロープを有するインフルエンザウイルスを不活化させ、COVID-19にも有効と考えられる。しかし、抗菌性洗口剤に含まれるグルコン酸クロルヘキシジンと塩化セチルピリジウムの短時間でのウイルス不活化効果は低い。」ということです。

参照:

「歯科医療機関で COVID-19 感染リスクを下げる」東京歯科大学名誉教授 奥田 克爾

 

『リステリン』にはコロナウイルスを不活化(殺菌)する効果があるとのことなのです!これにより、喉の奥を洗い流して、感染を予防することは難しいですが、口腔内にとどまっているコロナウイルスは不活化させ、感染力をなくすことができるようになります。といっても、『うがい』の目的は口腔内をキレイにすることだということを忘れず、殺菌作用を過信しすぎないように注意してください。

リステリンの効果になどについて知りたい方は『  歯科医療の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染予防 』を参照してください

当院へご連絡頂いても、当院は研究機関ではありませんので詳しくはお答え致しかねます。詳しく知りたい方は、情報の発信元である東京歯科大学へお問い合わせ下さい。

 

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